たゆたえども沈まず ~ポスト印象派ゴッホを支えた数秘「9」を生きる画商たち~

麻梨です

 

この春、「お義母さん」と呼んでくれる家族ができました

彼と初めてのご挨拶の日、ひとつの小説を紹介してくれました

「たゆたえども沈まず」

これは史実に基づいたフィクション小説のタイトルです

そして、

「Fluctuat nec mergitur」というラテン語の標語でもあり

(まったく発音も意味も分かりません(笑))

パリ市の紋章にも刻まれているそうです

「どんな強い風が吹いても、揺れるだけで沈みはしない」    

当時(19世紀)のパリではセーヌ川の氾濫をはじめ、多くの逆境にたちむかい

「パリはどんな危機も乗り越えられることを信じる」…

という意味をふくんでいるそうです

 


さかのぼること…約150年

フランスでは3度目の「パリ万博」が開催されました

そこには、数々の日本美術(浮世絵 工芸品 掛け軸など)が出品されたそうです

錆びた鎖が解かれたばかりの日本…

浮世絵がそこまで価値を見出されていない時代

ヨーロッパの芸術家たちは、その斬新さ、色鮮やかさに魅せられ

やがて「ジャポニズム」と称され、注目をあびます

それは画家たちの色彩感覚にも影響が及び、従来のルールにとらわれることなく

様々な技法と表現を創意工夫することで「印象派」「ポスト印象派」「フォービズム」と

新しい感性が生み出されていきます

 

この小説は「ひまわり」「星月夜」など多くの作品を後世に残した

フィンセント・ファン・ゴッホが作品に向きあう際の苦悩と葛藤、

そして極限まで自分の表現を追い求める姿…

それを支える3人の画商が あるひとつの目的に向かって

各々の生き様を表現しながら、お互いに魂を通い合わせ…

人間の奥深き本質に迫る迫力が伝わってきます

 

私は芸術にもパリにも、知識は暗く

ただただ、登場人物の強さ、温かさ、そしてやるせなさ…が

パリの美しい風景をバックに

蔦のように絡み合いながらも、気品ある模様として描かれていることに感銘を受け

数秘の読み解きを添えて、彼らを紹介したいと思うものです

個人の感想文であり、表現、捉え方等については、

作者そして登場人物への敬意としてご理解いただけると幸いです

フィンセント

若い頃から自由を追いかけ(幼少期より絵の才能はずば抜けていたようです) 

故郷オランダに暮らす頃は家族を思い、特にすぐ下の弟、テオドールを可愛がります 

叔父の配慮で働くことになった画廊を23歳で退職、 

牧師になることを目標に勉強するも、挫折… 

住むところを転々としながら、弟テオドールの仕送りに支えられ、絵を描き続けます 

絵具代、家賃としての仕送りも酒代に費やし、 

思い通りにならないと、テオドールをなじり、苦しめます 

自分への「もどかしい」思いが 

弟に矢を向けるような表現となるようにも見受けられます 

心の病と闘いながらも、絵を描くことへの情熱を失うことなく 

生涯を通じて、キャンバスと向き合い続けたフィンセント… 

その人生はわずか37年という短さで、静かに幕を閉じます 

…いつも気持ちを分け合ってくれた弟、テオドールに看取られて… 

テオドール

幼いころから4歳上の兄フィンセントを慕い、敬い、憧れ、 

「自分の半身であると感じる」くらい 

不思議な結びつきを感じながら大きくなります 

彼もフィンセントと同じように叔父の画廊で働き始めます 

21歳で「パリ万博」出展に向けての大切なポストを与えられ 

これを機に画商としてのポジションを確実なものにします 

…が、仕事が順調に運ぶ一方で 

絵画に対する方向性の相違に揺れ動きながらの職業人生を歩むこととなります 

当時のパリでは「アカデミー」と呼ばれる古典派の芸術が一線でもてはやされる時代 

彼は「印象派」と呼ばれる新しく自由な表現に心を奪われます 

「印象派」「日本美術」…この斬新な芸術を兄、フィンセントと共有したい 

…フィンセントにも自由で自然な感性を描いてほしい…… 

そのためには、兄フィンセントへの仕送りはもちろん、 

故郷オランダの家族の生活も支えていかなければならない… 

生活の安定と自身の欲求との狭間で苦悩が繰り返されます 

彼はそんな人生の過程で、愛する人との結婚、子宝にも恵まれます 

数々の波乱を背負い、フィンセントの死後、半年の時も置かず、兄の元へと旅立ちます 

33歳という若さで…兄の魂を追いかけるように… 

林 忠正

3度目の「パリ万博」に日本政府主導で民間会社が出展することを聞きつけ 

美術工芸品や雑貨を扱う会社の通訳として 

憧れの渡仏を現実のものとします 

忠正はこの会社とのご縁をきっかけに 

パリで画商としての道を歩むこととなります 

忠正はフランス文化を徹底的に探究し、 

日本人としての誇りを忘れず、その融合の中で生まれる知性は 

様々な場面で、ウィットに富んだコミュニケーション力として発揮されます 

画商としてばかりではなく 

フランスの美術誌に、日本文化や美術の記事が掲載されたり 

研究者の仕事を助けたり…と 

多岐にわたる分野で、自身の知識を惜しみなく注ぎ込みます 

その言動には厳しさが感じられるものの 

人や場を選ぶことなく、気遣いや思いやりを端的に伝える人柄がうかがえます 

「俺にとって、パリは花の都なんかじゃない…ここは戦場なんだ」 

という言葉が彼の仕事に対する価値観を感じさせてくれました 

史実では、帰国後、西洋近代美術館建立を計画するも、果たせぬまま52歳で病没 

加納重吉

彼は、実在の人物ではないようです 忠正の開成学校の後輩という設定です 

忠正にパリに呼び寄せられ、フランスでの日常を学びながら 

画廊ではアシスタントのような立場を務め、パリの生活に溶け込んでいきます 

とても明るく、登場人物全員の心を繋いでいく大切な役割を果たします 

誰もが、やるせない気持ちになるとき、 

いつもそこには重吉の存在があり、言葉にならないような切ない場面でも 

その存在そのものが、場を温かく包み込んでしまうような人柄が表現されています 

作者がタイムスリップして、彼らの悲しみや苦悩を一緒に背負ってあげたい気持ち… 

それを託した人物のように感じました 

彼らの持つ数字はどんな波動を描いているのでしょうか

3 人の数字をご覧になって如何でしょうか

探究数を共にするものは、互いにソールメイトとして人生に関わります

フィンセントとテオドールはお互いに分身と思えた…「6」という「愛」

本当に神様の愛情が、ひとつの魂を2人にお分けになられたのかもしれません…

テオドールと忠正…同じ数字をふたつ共有しています

欲求や動機、過程は違えど、「9」を生きる二人の画商

それは、故郷を離れ、異国の地で

各々の個性を表現しながらも、自己の本音を明かさず…

他への想いを限りなく膨らませ

「芸術」という分野で、後世にこうして今なお貢献している…

多くの人に、ジャポニズム 印象派、ポスト印象派という言葉が語り継がれ

それは関わる人の心に大きな感動を何度となく呼び起こしています

「フィンセント・ファン・ゴッホ」の芸術は

21 世紀の今もなお、絵画展はじめ、教科書に掲載され、メディアに捉えられ

私のような芸術に疎いものでさえ、その絵を目にする機会はたびたび訪れます

そんな偉大な画家の絵が、生前に売れたのは1 枚だけと言われます

では、ゴッホの芸術性はなぜ価値を見出されたのでしょうか…

それには 忘れてはならない女性の存在があります

 

ヨハンナ・ファン・ゴッホ(1862.10.4 生)

 

テオドールの妻です 

彼女は夫を愛し、どんな時もその心を支え 

夫の兄であるフィンセント、そして彼の芸術を敬愛し続けます 

フィンセントがアルルで、ゴーギャンとの生活に終止符を打ち、孤独と闘う中 

ヨハンナは, 

自分たちの街に彼を呼び寄せます 

史実では、彼女はテオドールの死後 

ゴッホ兄弟の間で交わされた膨大な手紙や絵画を整理し 

書簡集を発刊、その後、パリを中心にベルリン、コペンハーゲンなど 

国をまたいでゴッホの作品を売り込み続けます 

1905年、アムステルダム(ゴッホ兄弟の故郷)でフィンセントの回顧展を開催、 

このイベントが大成功をおさめ、これをきっかけに 

「ポスト印象派」フィンセント・ファン・ゴッホが生まれたようです 

才能数「4」 論理的 堅実性

本質数「22」卓越した感受性「開拓」

探究数「5」 自発的

私たち数秘を学ぶものは

「22」が持つ「カリスマ性」「具現化」という波動…

大きなバイタリティを感じます

才能数「4」 手紙や絵画を一つ残さず確認していく姿が目に浮かびます

「5」はフィンセントの生き様を敬い、晩年自分の想いが弾けるように

行動を起こし続けたエネルギーが伝わります

画伯「フィンセント・ファン・ゴッホ」の作品がこうして

私たちの心を動かすのは 多くの人の想いが…そして

「ジャポニズム」に注ぎ込まれた「大和魂」も

彼の人生を応援し続けたからではないでしょうか…

 

2025年4月13日 

日本の大阪で「関西万博」が幕を開けました 

“Expo 2025 Osaka,Kansai,Japan” テーマは 

「いのち輝く未来社会のデザイン」 

100年後、200年後、1,000年後の日本、世界、宇宙 

私たちはこの眼に、その姿を映しだすことはできません 

ただ、ゴッホ兄弟や彼らを取り巻く人々、そして子孫のように 

その時代の大切なものを、後世に語り継ぐことで 

明るい未来が限りなく拓けていくように感じるものです 

世界一周旅行をしても立ち寄ることのない未知の国 

日本企業が「技術の未来」を探る眼 

「大屋根リング」の建築をはじめ、 

日本の過去から現代~未来にわたる本質的 「Japanese soul」 

…あの頃、陶磁器の包み紙としか思われていなかった 

瓦版に印刷された浮世絵が、日本美術としてだけではなく 

こうして世界中のアートに影響を及ぼせたこと… 

こどもも、大人も…気づいていなかった好奇心が芽生えるかもしれません 

自分のために 家族のために そして未来社会に生を享けるすべてのために 

「経験」「想い出」といった一頁を創ってみませんか… 

今回もこのお部屋を訪れていただいたみなさま 

いつもお付き合いいただきありがとうございます 

最後に 

「たゆたえども沈まず」の作者さん、登場人物の方々 

そして…私の新しい家族へ感謝を込めて… 

参照 

フィンセント・ファン・ゴッホ - Wikipedia 

テオドルス・ファン・ゴッホ - Wikipedia 

林忠正 - Wikipedia 

ヨハンナ・ファン・ゴッホ=ボンゲル - Wikipedia 



この記事を書いた人

数秘LIFE®︎研究家 麻梨

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